白珊瑚
白珊瑚の生息場所
白珊瑚は南シナ海、沖縄近海、五島列島から長崎沖、土佐湾など水深100~400メートルの海底に分布する種類です。
骨軸はすべて白色ですが、原木の表皮は柿色をしており、研磨されない状態の外見は桃珊瑚に似ています。
白珊瑚の色
白珊瑚は白色が基調ですが、淡いピンク色がわずかに混ざっている場合があります。色は純白から乳白色、セピア色までありますが、純白のものは貴重です。
一方で、東シナ海で採取される白珊瑚には象牙色をしたものがありこれも珍重されています。最近は採取されておらず、ほとんど市場での流通もなく貴重な品です。
シナ海産の白珊瑚は殆ど流通しておらず原木を持っている業者がときどきオークションに出してきますが、白珊瑚としては高値で取引されます。
純白の白珊瑚原木も殆ど見ることがありません。
深海珊瑚
次に説明する深海珊瑚は、白とピンク色が混ざり合った色ですが、研磨した結果、まれに白の均一な色のものが得られます。これも白珊瑚として用いられます。
白珊瑚の丸玉
セピア色の白珊瑚の彫り物
ピンク色の斑紋が見える
深海珊瑚(ピンク珊瑚)
深海珊瑚の生息場所
深海珊瑚は宝石珊瑚の中でも際立って深い水深1,000メートルを超える深海底で採取されるのでこの名称が商品名になっています。
この珊瑚の発見は比較的あたらしく昭和39年にミッドウェー海域で発見されました。
深海珊瑚の色と評価
深海珊瑚は白色とピンク色が混ざり合った珊瑚です。ピンク色が濃く色が単一なものほど、高く評価されます。
特に均一な色のものは、色合いによって「ピンク珊瑚」「白珊瑚」として用いられます。
圧力差によるひび割れ
深海珊瑚は深海から珊瑚が引き上げられることにより水圧から放たれた珊瑚の原木は「ヒ」と呼ばれるクラック(縦方向の筋目状のひび)が非常に多く見られます。
研磨の際のロスも多く、ほとんどのものは一律に研磨されて、安価な評価になります。
ピンクと白の混ざった色
薄いピンク色
濃いピンクの深海珊瑚
「ヒ」といわれるひび割れ
ピンク珊瑚
ピンク珊瑚といった場合は、珊瑚の生物的な分類ではなく「ピンク色をした珊瑚」といった意味合いで、色々な種類の珊瑚が含まれます。
上の深海珊瑚のほかにも、ミス珊瑚(淡いピンク色)、ガーネ珊瑚(ピンク色に白色のコントラストが美しい珊瑚)、ミッド珊瑚(少し濃い目のピンク色)などの珊瑚があります。
均一な色のものは希少
ピンク珊瑚はいろいろの種類がありますがほとんどがピンクに白い色が混ざり合うか、「ヒ」が多いため完璧なものは数十個に1個あるかないかというくらいです。故にピンク一色の珊瑚で傷のないものは希少価値です。
ミス珊瑚のカメオ
ガーネ珊瑚の薔薇
ミッド珊瑚